事例紹介 ー 相続編 ー

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 最近、マンション等で孤独死される高齢者の方が増加傾向にあるという話題をニュース等で目にします。

 少子高齢化が進む日本において、避けることのできない悲しい現状です。


 今回、まさにそのような状況で亡くなられた方(以下「被相続人」といいます。)の御親族(兄弟姉妹)から、相続(遺産分割協議書の作成)に係る手続についての依頼を受けました。

 なお、既に御両親は他界されています。


 相続人に該当する方全員(後に増えます。)が「相続放棄」を望んでいらっしゃいましたが、相続開始から一定期間(3か月)を経過していたため、放棄をすることは不可能な状態にありました。


 そこで、兄弟姉妹全員で、マンションの所有権を「共有」することで合意がなされました。


 ここまでは話が早かったのですが・・・戸籍集めを開始して間もなく、問題が発生。

 相続人である兄弟姉妹の中には、被相続人によりも先に亡くなられている方達もおりました・・・。

 (最初の相談時に、もっとよく確認すべきであったと反省しています。)


 ここで、突然、被相続人の甥っ子・姪っ子さん達も相続人として続々登場してくることに!

 ちなみに、これを「代襲相続」といいます。

 カッコいい名前ですが、ここから少しややこしい手続へと変化していきます。


 当初は数名のはずであった相続人に、代襲相続人が加わることで一気に十数名へと増員(^_^;)

 お住まいも、当然ながら津々浦々。


 取り急ぎ、甥っ子・姪っ子さん達へ、相続する権利がある旨の「通知」を発出しましたが、御本人達からすれば「寝耳に水」な話。

 「え?自分が相続人??なぜ???」


 色々ありましたが、結局、どなたも「相続放棄」を選択されました。


 しかしながら、「相続放棄」とは、その意思表示をするだけでは足りません。

 その理由は割愛しますが、家庭裁判所において、「相続放棄の申述」という手続を経なければならないことになっています。

 そして、裁判官に認められて初めて、相続人の責務からも逃れることができます。

 こちらの相続放棄については、一定期間を経過していないと判断されたため、何とか間に合いました。


 今回の事案では、被相続人に負の財産(借金等)はなく、主にマンションの所有権の帰属が焦点となり、その他に複雑な問題はありませんでした。


 事案の紹介は以上ですが、私のような士業を営む者から、「あなたも相続人ですよ。」と声をかけられることがあり得ます。

 突然のことできっと驚かれるでしょうが、その際には、御自身のためにも、冷静な判断、及び迅速な行動を心掛けていただければと思います。


「おまけ」

 最後に、分譲マンションへお住いの方へ身近で深刻な問題です。

 もし、今回の事案で、相続人全員の方に相続放棄が認められたとした場合、相続人は不在となりますが、残ってしまったマンション一室の「維持・管理」は一体誰がしなければならないでしょうか?

 赤の他人のお部屋ですから、自分にはまったく関係ないとお考えでしたら、残念ながらそれは違います・・・。

 マンションの住人同士は、「運命共同体」です。

 私が確定的に述べることではありませんので、お時間がある際に、是非、ネット等でお調べくださいませ。

 意外な結論に辿り着くはずです。