「在留資格」に係る法改正について

fullsizeoutput_fc5

 日本では、高齢化の急速な進展が問題となっており、その需要に対応すべき介護従事者の不足も深刻化しています(要介護者:564万人(H25年度)、介護従事者:171万人(同))。

 今後、その需要が更に高まることは、公然の事実です。


 それらを背景として、平成281128日、「外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律」(技能実習法)が公布され、本年111日から施行されることとなりました。


 また、同時に、「出入国管理及び難民認定法」(改正入管法)の一部が改正され、在留資格に「介護」が創設され、介護福祉士の国家資格を有する外国人は、介護施設等との契約に基づき、介護又は介護の指導の業務に従事することが可能となります(平成2991日施行)。

 

 典型的な流れとしては、在留資格「留学」で入国した外国人が、介護福祉士養成施設で修学し(2年以上)、介護福祉士の国家資格を取得することで、在留資格「介護」へ変更することが認められ、介護の現場へ従事することとなります。 


 現在、EPA(経済連携協定)により、インドネシア、フィリピン及びベトナムの3か国ついては、介護福祉士候補者としての入国が認められていますが(在留資格「特定活動」)、この度の法改正による受け入れは、EPAとは異なり、国籍の制限は特にありません。


 なぜなら、これらの取り組みは、日本の介護の技術を、開発途上国等へも移転し、人材育成(人づくり)を通じて、国際協力の推進を図ることが主な趣旨とされているからです。


 したがって、単に、日本が抱える介護人材の不足への早急な対応を目的としているものではないという説明になります。


 冒頭に記述した「高齢化問題」と直結しないようにも思われますが、現行制度では、介護福祉士養成施設(=大学、専門学校等)の留学生が介護福祉士の資格を取得しても、日本国内で介護業務に就けないという不都合が生じています。


 在留資格「介護」が認められることにより、国籍を問わず、質の高い人材が介護の現場に身を投じることができるようになることで、結果的に介護人材の不足もある程度解消するのであれば、そこに大きな意義があるのではないかと考えます。


 外国人介護士が参入することで、「倫理観」や「宗教」等の違いにより様々な問題・課題が生じることも必然ですが、そちらについては、介護に精通した専門家の方達が良い方向に導いてくれることと信じ、私見は控えます。


 行政書士としては、新たに創設される在留資格の制度趣旨についての理解を深め、サポートを必要とする外国人に対して、スムーズなサービスの提供ができるよう努めていきたいと思料します。